あらすじ
「リーシャ、婚約破棄に当たって君にはここを去ってもらう。文句はないだろう?」
嬉しそうな表情で、彼はそう私に告げてきた。きっと彼には、もうすでに本命と呼べるだけの人がいるのだろう。私との関係の終了が痛くないどころか、むしろ新たな幸福への切符のようなものととらえているに違いない。
「そうですか、残念ですが、それでは仕方がありませんね…」
「物分かりがよくて助かる。まぁ、妙に引き延ばさないほうが君にとってもいい事だろう?」
どこか余裕な彼は、きっと勘違いしているように思う。それが気になった私は、自らその話題を出すことにしてみる。