あらすじ
「リヴァイン様、ルーゼ様についてはいかがいたしましょうか?」
低い声でそう言葉を発するのは、主君リヴァインの右腕ともいえる存在であるエルディーツ。彼の投げた疑問に対し、リヴァインは一間をおいて答えた。
「別にどうとでもしておけばいい。いずれにしても婚約はなかったことにする、それはもう決まった。あとは他の者たちに感づかれないよう、静かに消すだけ、だ」
どこか穏やかではないその言い回しの前でありながらも、リヴァインは冷静に返事をした。政略的な婚約であったものの、いまやその役目を終えてしまったルーゼの存在。令嬢でもある彼女を無下に扱う事はできないため、二人は用済みとなった彼女をどう処理するか、を互いに打ち合わせていたのだった。
しかし二人の思惑は外れた。ルーゼは自ら家を出て行ったためだ。