あらすじ
刀根田村。 古来より。独自の神、八千矛神(やちほこのかみ)を祀るその村は、毎年神事に供物を捧げていた。 だが、十年に一度だけは生きた贄を捧げなければならない。 そして今年、選ばれたのは『椿』という名の妙齢の女。 咲いたばかりの百合の花の様に美しく、今にも散ってしまいそうなまでに儚げだ。目線は虚で視線は定まらない。 されど、椿は己が生贄の花嫁である事を知っていても尚、逃げる意思はなく、手を引かれるままに歩く。 その先にあるのは、八千矛神がいるとされる大蔵。 椿は七日、そこで花嫁としての勤めを果たす事になる。 日の光も届かぬ蔵の中にいる、神の花嫁として。