あらすじ
小学校校長、蒲田篤弘は今では併合し、名を失ったある田舎町で生まれ育った。
五人兄弟の末っ子の蒲田校長は幼少の頃より
虫や雑草といった身の回りの物に興味を抱き
木造校舎の小学校の図書室から借りた図鑑をいつも持ち歩いていた。
身の回りにあるものは全て己を高める教材、先生であると気づいたとき
何もないと兄たちが嘆くこの田舎町が広大に思えた。
そして感動に打ち震えた。おお、なんと世界は広いのだろう!
この田舎町だけでこれほどまでに知的好奇心をくすぐられるというのに
あの森の向こう、山の向こう、空の向こうには
一体どれほど私が知らないものがあるのだろう。
そう思うと笑みを浮かべずにはいられないのであった。