あらすじ
「サナ、君との婚約は残念ながら、破棄することに決めた。早いうちにすべての手配をしておくから、準備しておいてくれたまえ」
「分かりました。ですが旦那様、婚約破棄という事は資産の分割はどうなるのでしょうか?」
私の投げた言葉に対し、旦那様は半ば呆れたような表情を浮かべながら返事を始める。
「資産の分割だと?寝ぼけているのか?君との間に均等な分割など行うはずがないだろう?僕の期待を裏切り、君は僕を愛さなかったんだ。ゆえに婚約破棄の原因は君の方にある。言い訳なんて通る状況ではないことくらい、見てわかるだろう?」
どこか不機嫌な口調になりながら、そう説明を行う旦那様。今になっても何も理解していない様子のこの人に対して、私は努めて冷静にすべての事実を伝えることにする。