あらすじ
テーブルの上に置かれていたのは一枚の手紙だった。 『ごめんね。私、職場の先輩と付き合うことになった。……男の人だよ』 仕事もうまくいかず、付き合っていた彼女にもフラれた牡丹山ざくろは自暴自棄になりその身を道路に投げ出した。 その後ざくろは自室で目を覚まし、外に出てみると世界は一変していた。その日を境にざくろは悪魔の姿が見えるようになってしまったのだ。 戸惑うさくろの元に、少女のような容姿をした悪魔『サレア』が現れる。 「ヤっちゃいなよ、お姉さんにはその力があるんだから」 どういうわけか、ざくろにも悪魔の力が使えるようになっていた。壊し、燃やし、殺す。その力はあまりにも強大で悪意しかない。 それでもざくろは、誰かを傷つけることなんてできなかった。 悪魔は抱きしめてくれない。少し痛いその慰めに、ざくろは溺れていく。 そこに抑えきれない感情が隠れていることに気付いた頃、サレアの体に異変が起きて――。 これは悪魔になりきれない人間と人間になりきれない悪魔が、当たり前のように生きて当たり前のように笑っていたいと願う。 本当にただ。 それだけの話。