あらすじ
沢北七渚─さわきたなな(27)は、無表情で無愛想、感情を表したり人とコミュニケーションをとるのが苦手。人との関係が希薄で、恋人どころか友人と呼べる人もほとんどいない。中途採用でイベント会社に就職して4年目、外部スタッフを纏めるリーダーという立場で仕事一色の多忙な日々を送っていた。 ブラック無彩色コーデが好きで身長も高くモデル体型をしており、裏では〝魔女子〟と呼ばれている。男性受けの良いタイプではないと自覚しているが、いつかは結婚したいという気持ちはあり、婚活パーティーに参加したことがある。訳ありの新人教育で、とある大企業の社長のご子息を担当することになる。 七渚の同僚、河上透弥─かわかみ とうや(29)は、七渚とは対照的な人たらしの自信家で、その場にいるだけで人が集まってくるような人気者。3年以上一緒に働いているが、仕事上の関わりしかない。誰に対しても物腰柔らかで平等なため、七渚に対してもフレンドリーで優しいが、自分とは別世界に生きている、たまたま職場が一緒になっただけの人、と距離を置いている。 お洒落でセンスが良く、ファッションも個性的だがよく似合っている。センター分け天然パーマでくるくるのヘアスタイルも、あれは相当自分に自信がないとできない髪型だな……と、少し呆れながら、七渚は心の中で透弥のことを〝ワカメ頭のナルシスト〟と呼んでいる。