あらすじ
平城歩叶は12月にひとりで死んだ。 高校時代、歩叶の恋人だった清沢優星は、大学進学を機に仙台でひとり暮らしを始める。歩叶との思い出が詰まった故郷から逃げ出して、一日も早く彼女を失った痛みを忘れることだけが望みだった。 しかし大学三年の夏、田舎に住む祖母が亡くなり、優星は帰郷を余儀なくされる。二年ぶりに訪れたふるさとで、彼はなつかしさから歩叶がよく通っていたとある神社へ足を踏み入れた。 ところがそこには、かつて歩叶が使っていたものにそっくりのスマホが。まさかと思い手に取ってみると、端末の中には文字化けしたアプリがひとつだけ。それを起動し、画面を覗いてみたところで優星は息を飲んだ。 何故ならそこには、かつての記憶のままの歩叶が映り込んでいたから。 これは彼が過去とつながり、彼女を取り戻すまでのひと夏の物語。