あらすじ

ノルヴァ公爵家の3女、カナヤ・エルミッツには非凡な魔術の才があった。 天賦の才だった。 誰に教えられたわけでも無い。 書物に目を通すだけで、息をするように魔術を扱えるようになったのだ。 しかし、そのことは彼女だけの秘密だった。 打ち明ける気になれなかったのだ。 カナヤは姉妹たちと比べて、格段の器量無しだった。 そのことで父親には無価値であると切り捨てられた。 屋敷に閉じ込められることになった。 侮蔑と嘲笑の中で育つことになった。 心は完全に擦り切れていた。 魔術の才があるとして、それが何なのか? 打ち明けて、評価されたいとも思えない。 必要とされたいとも思えない。 全てが……誰もかもがどうでもいい。 それが彼女の偽らざる胸中だった。 しかし、である。 カナヤの人生は、突如として大きく変わり始める。 きっかけは降って湧いたような婚姻だった。 相手は『幽鬼』とも称される、鉄面皮の伯爵──テオ・グレジール。 どうせ彼も同じだ。 どうせ自分は無価値であり、彼もまた自身に侮蔑の思いを抱いている。 そうカナヤは思っていた。 だが、 『──私は、貴女以上に素晴らしい貴婦人を知らない』 ある晩、テオにそう告げられることになる。 カナヤは戸惑うしかなかった。 適当を言っている雰囲気が無かったのだ。 彼の目には、どこまでも誠実で真摯な光しかなかった。

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カクヨム
カクヨム2023/08/12
  • 現在の作品実は至高の魔術師である公爵令嬢は、嫁ぎ先でようやく力を貸したい相手に巡り会えたようです。