あらすじ
あるところに、祈山という神社がありました。そこには、祈ることを得意とする神様がおりました。
それほど参拝者は多くありませんでしたが、来る人は決まって手を合わせ、自分の幸せを、他人の幸せを、そうでなければ誰かが不幸になりませんように、と祈りました。
神様はそのひとつひとつに耳を傾け、彼らの幸せを祈り、去り行く背中に微笑みを向けました。
いつも、そうしていました。
──ある日、神社にある少女が訪れました。泣き腫らした目をした少女でした。
(神様、どうか──)
これは、ある神様と少女の、一方通行にしかならない想いの物語。