あらすじ
※この小説は『小説家になろう』でも掲載しています。 日本国民は『魔族』と呼ばれる異貌の怪物の脅威に晒されていた。 魔族に対抗するための団体、海動会で『勇者』として育てられていた少年・英生。 十年前、英生は魔族の少女を海動会の研究施設から連れ出し、その結果他の魔族に襲われ、父親がそれを助けようとして命を落としていた。 しかし、英生にはその時の記憶がなかった。それどころか、今まで生きてきた中で積み重ねてきた思い出すらなかった。 現在、勇者の候補として魔族を退治していた英生は窮地を魔族の少女に救われる。その少女こそ、幼い頃英生が研究所から逃した魔族の少女・ボコだった。 海動会に捕らわれたボコと英生はつかの間の交流をする。 二週間後、突然研究所で火事が起こり、収容されているはずのボコを助けるために英生は研究所に駆け込む。 そして、その火事の原因がボコを解剖したからだと知り、せめてボコを弔いたいとボコを抱えて海動会の外へ向かう。 そこで出会った喋る犬の助けもあり、ボコがまだ生きていてその代わりに記憶喪失になったことを英生は知る。愕然とする英生。 英生は犬の仲間だという勇者管理組織・バベルに保護されることになる。記憶喪失になったボコと共に。 バベルでの日常を過ごしていく中、英生は勇者を目指す。父のような勇者になるために。そして、記憶喪失になったボコを守るために。 目の前の少女の笑顔が少年の全てだった。その笑顔を守るために、英生は埋めていく。失くした過去の自分を、そして――自分のせいで消えた彼女のことを。