あらすじ

仕事も無くなり、貯金も底をつき、家族もいない、人生負け組み確定となった男、橋本征二。もはや、これまでと、世の中から自分の存在を消滅させる事を決意した。しかし最後にどうしてもやっておきたい事がある。学生時代、それこそ死ぬほど好きだった、あの女に会いたい。いったい、どこにいるのか、何をしているのか、まったく不明。でもなんとかして最後に一目だけでも。そう思い、とりあえず彼女の実家に電話してみた。
  
 息子が大学へ入学すると同時に夫と別れ、小さなアパートで一人暮らし。弁当工場のパートで日々の収入を得る女、横田雅美。何の資格も無く、主婦経験しかない身では将来の不安しかない。故郷から遠く離れ、頼る者もいない。工場とアパートを無機質に往復するだけの毎日。
 
 幸運にも女の携帯番号を入手する事が出来た橋本。なんと彼女は故郷から遠く離れ、あのネズミの城があるT県に住んでいるらしい。T県だろうが、外国だろうが彼女に会えるなら、どこにでも行く。さっそく連絡を入れてみる。
 
 昔、昔、私に好意を寄せていたと思われる男から突然、電話がきた。この男とは一度だけデートらしきものをした記憶がある。こちらには何の感情も無い。聞けば、わざわざ、こちらまで来て私に会いたいと言う。暇な男もいるものだと思ったが、こちらとしても良い暇潰しだ。会いたいというなら会ってあげよう。
 
 二人はネズミの城が見える喫茶アマリロで20何年かぶりに再会した。そこで語られ始めた、2人の話。最後に、この2人は、どうやって人生に落とし前をつけるのだろうか。

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アルファポリス
アルファポリス2021/04/15
  • 現在の作品ネズミの城が見える喫茶店