あらすじ
「ち、遅刻っ、遅刻ぅっ……!」
カミラ・ローランド子爵令嬢は、朝食のパンを咥えて、爆速で登校していた。
空を。生まれ持った規格外の魔力と魔術の才能を全力で無駄遣いしながら。貧乏ゆえに。
「すみません、うっかりして? 立てるかな?」
そうしてある日、曲がり角で絶世の美形に、撃ち落とされた。
「うっかり? 翼竜系の魔物を撃ち落とすための魔力撹乱魔法を、私が曲がる角度まで計算された完璧な位置に、うっかり?」
粉々に吹っ飛ばそうか、と考え始めたカミラに、謎の美形は告げる。
「カミラ・ローランド子爵令嬢。私と結婚してくれないか?」
すったもんだの末に我に帰れば、求婚してきた美形の正体は第三王子エイベルであり、しかもカミラに夢中。それはもう、遠足の前日並みに眠りを妨げられるくらいには、カミラ以外見えていない。しかし、肝心なカミラと言えば、限界髪フェチな友人と大騒ぎした挙句、
「私が殿下をお慕い申し上げているかというお話ですが」
「うん」
「わ、私、別にその殿下のお髪に興味があるわけではないのです!」
「…………うん?」
年齢イコール好きとかよく分からない歴な恋愛観、そして類まれな魔術の才能を持って爆走するカミラを、これまた壊滅的な女性を口説く技術とカミラへの重すぎる恋心を持って追い回す、第三王子のお話。
常識人不在、ツッコミ途中退場な、何でもあり勢い重視のすれ違い暴走ラブコメディです。頭を空っぽにしてお読みください。