あらすじ
生まれた時から、理央はずっとみんなと同じにできなかった。走ることもジャンプすることも、踊ることも。 そんな自分を受け入れ、自身にできる最大限をしながらも、私なんて……という思いが消えない理央。 そんな日々を送っていた理央だが、ある日ひとりの男の子、紫と出会う。その日から理央の日々は少しずつ変化し始める。 ──ここからはネタバレです── 【登場人物】 桜田 理央(さくらだ りお) 海風中学の通う一年生。生まれつき心臓に病気があり、手術をする必要はないものの、運動は禁止。薬を欠かせない。 基本的に前向きな性格で強気だが、私なんて……という気持ちを同時に持っている。 人より少し目がよくて、ダンスをどうすればより魅力的になるのかが、何となく分かる。 学校では心臓の病気ばかりを見て、親友のゆず以外は理央という人格を見てくれない。みんな、自分ではなく病気を見ているのだと思っている。理央自身も同じに出来ないことを引け目に感じている。 天宮 紫(あまみや ゆかり) 海風中学の一年生。理央の後ろの席だが、不登校で一度も学校に通っていなかった。その理由は学校で学ぶ必要はない、と本人は言う。 理央と出会ってからは勉強をしに学校に行くのではなく、理央に会うためだけに登校するように。 夢はプロダンサー。だが、家族に反対されている。学生のうちはダンスを続けることを許されているが全国模試十位以内が条件。また、学生のうちにダンスで結果を出せなければ、やめろと言われている。 理央のことを溺愛している。 遠山 ゆず(とおやま ゆず) 学校で理央の本性を知るたった一人の親友。 桜田 雄大(さくらだ ゆうだい) 理央の義理の兄。ストリートダンスグループ『リベルテ』のリーダー。 【プロット】 学校に来るようになった紫。ズバッと言う性格だが、優しく、気さくなこともありすぐにクラスの人気者に。 そんな紫を見て、何だかもやもやしたものを感じる理央だが、その気持ちの正体が分からず困惑が隠せない。 ある日、紫が先輩に告白されていたのを、たまたま理央はみてしまった。紫は断っていたが、それは理央の学校生活を送る上で何重にも被った猫を剥がすくらい衝撃的なことだった。 いつもニコニコと笑い、みんなと同じに動けないからとみんなの邪魔にならないようにとしていた理央。だが、紫が告白されていたその日は笑う余裕なんかない。 机に突っ伏して、泣きたい気持ちを我慢していれば、教室へと戻ってきた紫。理央が調子が悪いのだと思い、声をかけるが理央から返ってきたのは拒絶。 強く紫の手を払いのけ、睨み付ける理央。自分にはそんなことをする権利もなく、八つ当たりだと分かっていたのに理央は止まれなかった。 紫と気まずくなって一週間。紫は変わらず話しかけてくれるが理央のもやもやは晴れない。きれいで大人っぽい先輩に紫が告白されていた姿が頭から離れない。 そんななか、パタリと紫が迎えに来なくなった。紫はきちんとその理由を理央に伝えていたが、自分のことでいっぱいいっぱいで聞いてなかった理央。その時、はじめて紫がそばにいないとこんなにも寂しいのだと気がついた。 兄の雄大から紫はダンスコンテストに出場するために朝も夕方も夜も、空いている全ての時間を費やしていると聞いた理央。 力になりたい、と向かえば絶不調の紫がいた。 同じようにはダンスはできなくても、紫のダンスを見て一緒に改善点を考える理央。いつの間にか理央はいつも通りに紫と話せるようになっていた。 一緒にいる時間が増え、紫が家族からプロダンサーになるのを反対されていることを知る。紫は父親から「学生の間に結果を残せなければ、ダンスはやめろ」と言われていてたのだ。しかも、成績を落とすことなく。 理央は紫をサポートすることを決意した。 そして、本番。結果は準優勝。優勝できなかったと落ち込むものの、ひとりではここまでできなかったと紫は理央に感謝を伝える。 何かお礼がしたい、そう言われた理央はデートがしたいと紫へと告げた。 水族館デートをしていくなかで、紫のことが好きなんだとはっきりと自覚した理央。告白しようとしても、上手く言葉が出てこない。 やっと言えたのは、「理央、好きだよ」という言葉に対して「私も」のみ。言葉で上手く言えない理央ははじめて紫と出会った場所で、自分のは気持ちを床に座って踊ることで伝えた。 こうして、ふたりは晴れて恋人となった。 ここから続く場合は、学園祭や体育祭。修学旅行。紫がダンスの短期留学に行くことで離れてしまう夏休みなどを書いていけたら……と思っています。