あらすじ
「急な呼び出しとは、なかなか穏やかではなさそうですね…」
婚約者であり、王宮の権力者でもあるリドレー様に呼ばれた私。この人は独善的な政治を行う事で有名で、私を婚約者としてここに連れてきたことも、最終的にこの王宮で自らが大きな権力を手に入れるための布石として必要なためだった。
「呼び出しもこれが最後となろう。だから安心するといい。今後二度とこんなことはないだろうからな」
どこか嬉しそうな様子でそう私に挨拶をした彼は、そのまま言葉を続ける。
「君との婚約はもう必要なくなったんだ。もともとこの王宮でより高めを目指すために既婚者という地位にある方が得策だと考え君を選んだわけだが、すでに必要な情報は手に入った。だからもう君に用はない」
冷たい口調でそう告げる彼に、嘘偽りはないのだろう。