あらすじ
「こ、これは…」
ようやく王子からの手紙が届けられたかと思えば、その内容はとても信じられない物であった。
私との婚約を、白紙とする、と…
「そ、そんな事って…」
手紙にはこう続けられていた。そもそも王国の平和が維持されているのは聖女の祈りの力などではなく、王国王子の力である。ゆえに聖女はもはや王国には不要であり、ゆえに婚約する必要などないのだ、と…
…最初こそ悲しい感情に支配された私だったものの、段々と怒りの感情へと変化していく。…私がこれまでに、どれほどの聖女試練に立ち向かってきたか…王国王子に寄生するみっともない女だと、石を投げられたことだって、一度や二度ではない。
そんな苦しい過去があるからこそ、私は彼に抗議の声を上げるのではなく、別の選択肢を選んだ。…聖女としては失格かもしれないけど、これしかない選択だ。