あらすじ

「君との婚約関係は、今日をもって終わりにすることに決めた。これはこの僕が直々に決定したことであって、妹のフェルトに言われて決めたわけではない」

 誰も妹の話なんて出していないのにそう言う言い方をするあたり、やはり妹であるフェルトに対してなに化特別な思いがあるのだろう。そうでもなければこんな婚約破棄なんてするはずがないのだから。
 私の婚約者であるレイグは、自らの立場を安定化させるために私との婚約を決定するに至った。自ら貴族家としての立場を確立したい彼には、やはり婚約者を持つということが社会的に有利に働くという事を知っていたのだろう。
 しかし彼は同時に、妹を溺愛する兄でもあった。妹のフェルトもまた、そんな兄の溺愛ぶりに甘えきっており、彼は何をするにも妹の顔色を見ながら決めている様子だった。
 そしてついに、私を追い出したいという欲望が抑えきれず、婚約破棄を宣告してきたのだろう。

「…あなた様のお考えであるなら、私に何も言えることはありませんね。みんなで仲良く明るい生活を送りたく思っていたのですが、こうなってしまって残念です」

 私は特に思い残すようなこともなく、静かに彼の前から去った。…しかし後に、彼はこの婚約破棄の後悔にとらわれてしまうこととなる…

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アルファポリス
アルファポリス2023/08/06
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