あらすじ
中学2年の萌は勉強に追われ、目標もなく生きる日々に疲れきっていた。あるとき、路上ライブを行う男の子・律に出会う。変な人、と思いながらも、律の歌に励まされる萌。すると律はなぜか萌に、ここで歌ってみろと言い出し……。 距離が縮まるにつれ、律の正体、そして律の抱えるハンデが明らかになっていく――― 夢も、恋も、勉強も。ふたりなら、どんな壁も乗り越えられる。 ※カドカワ短編児童小説コンテスト応募作。 ※中学生向けに書いています。 ↓ ネタバレあり。↓ 結城 萌(ゆうき もえ) 中学2年。成績が思うように上がらず、生きることに疲れている。父は大企業につとめ単身赴任、姉は難関大に進学し、今は母と2人暮らし。過干渉で成績にもこだわる母親との関係に疲弊しているが、萌自身はそれに気付いていない。 絶対音感がある。歌うことが好きで、歌手になりたいという夢があった。律との出会いで、歌いたいという気持ちを再び持つようになる。 基本的に大人しいが、意外と度胸がある。 山瀬 律(やませ りつ) 中学2年。いじめを理由に、1年の3学期から不登校に。1年の始めに目の病気が発覚し、数年後には視野がほとんどなくなると言われている。運命的な出会いにより、萌に密かに片想いしていた。根は明るい性格で、萌を笑わせたくて試行錯誤している。 両親と、高校3年の兄との4人家族。家族みんな律に対して寛容で、「やりたいことを頑張ればいい」と背中を押してくれている。作曲に目覚めたのは、保育園の頃。DTMerとして人気が出てからは、配信動画の広告収入だけでもそこそこ稼いでいる。 【長編版プロット】 ● 律の登校再開 萌の後押しもあり、律は再び学校に通えるようになった。1年の時と違い、2年のクラスは担任やクラスメイトの理解もあり、律はクラスに馴染んでいく。改めて、学校に来られるようになったことを萌に感謝する律。 萌のことが好きで好きでしかたない律は、あますことなくその想いを伝える。恥ずかしがりながらも、律の気持ちを受け止める萌。一緒にいると手をつなぐのが癖になって周りからからかわれるが、「うらやましいだろ」とニヤける律。学校ではすっかり公認のカップルとなった。 ● 新曲動画の配信により… 律と萌が配信した新曲の動画は100万回再生をこえ、その広告収入に驚く萌。萌とタッグを組んだことで、次々と新曲を作っていく律。2人の曲は、中高生の間では社会現象となりつつあった。2人の正体は、もちろん誰にも秘密だ。 萌も、歌を聴いてもらえる環境がうれしくてしかたない。律がいること、それに歌を歌えることで、萌はようやく勉強にも打ち込めるようになってきた。 ● 初めてのキス 収録のために萌が律の家を尋ねる。収録のあと律は、Littoの『shellpink』は萌との出会いを歌った曲であることを明かす。「俺の愛は、重いぜ」と笑う律。互いの想いを改めて確認しあった2人は、律が作った曲を聴きながら初めてのキスをした。 収録を終え部屋を出ると、なぜか大学1年の萌の姉が律の家にいた。萌の姉と律の兄は、同じ高校出身の先輩後輩同士で仲が良く、たまたま遊びに来ていたのだ。そのつながりで、律は萌の姉の連絡先を受けとる。 ● 萌の家庭事情 律は少しずつ、萌の抱える問題に気付きつつあった。萌に対する母親からの干渉が、度を過ぎているのではないかと感じるようになった。また、萌は成績優秀で、毎回学年で3位以内には入っていた。しかし萌の母親の抱く理想には届いていないと、母からはさらに上を求められる。へとへとになりながらも、勉強に打ち込む萌。 学校の試験を終えた後の帰り道、萌は倒れる。高熱を押して、試験を受けていたのだ。萌を部屋まで送り届けた律。萌が「お母さんには言わなくていい」と聞かないので、律は萌の姉に連絡をした。 律が付き添っていると、萌の姉が様子を見に来た。萌と母の関係については、萌の姉も心配していた。姉自身も、母との関係に悩み大学進学を機に家を出たのだ。萌の姉は「何かあれば自分が動くから、連絡して」と律に伝える。 ● 律が事故に遭う あるとき律は、下校中に事故に遭う。横から来ている自転車に気付かずに、轢かれてしまったのだ。幸い大きな怪我はしなかったが、心配した萌は翌日から律と一緒に下校することにした。 GPSの動きでそれに気付いた母は、なにをしていたのかと萌を問い詰める。萌は母に、付き合っている子がいること、塾の前に家の近くまで一緒に帰っていることを伝える。しかし納得のいかない母は、律を紹介するように言う。 ● 萌と母の決別 母が律を傷つけるんじゃないかと不安に思う萌。いやな予感は、的中した。花火大会の日、律は初めて萌の母親に挨拶をした。目が不自由であることを伝えると、母の態度が一変する。律にひどい言葉を浴びせ、萌を家に閉じ込める母。暗い中、土地勘のない場所で律はどうすることもできない。萌は「あんなところに一人にしたら危ない」と母親を説得するが、部屋から出してはもらえなかった。怒った萌は、2階のベランダから飛び降り、怪我をしながらも律のもとへと駆け付けたのだ。驚き心配しながらも律は、萌が自分のために怒ってくれたことがうれしかった。 萌の姉に連絡をとり、姉が母親と話をすることに。萌はその日、律の家で過ごすこととなる。家の事情を聞いた律の両親は、「いつまで居てくれてもいい。だけどきっと、お母さんは心配してる」と伝える。 ● 萌と母の和解 その後、萌たちは家族会議を行った。その時はじめて萌は、実は両親が離婚していたこと、母も苦悩しながら家族を守ろうとしていたことを知る。 姉はあらためて母に、萌には萌の人生があること、母の考えと萌の考えのどちらも尊重したいこと、萌が苦しむくらいなら大学を辞めて家に戻ってくることを伝える。 そして萌は、律とともに曲を配信していることを母に伝えた。黙っていたことを謝りながらも、母が行った律への仕打ちは決して許せなかった。「律だって好きで目が悪くなったわけじゃない。苦しみながら生きてる律に、あんなこと言うなんて」と、律に謝らないなら、家には帰ってこないと母に伝える。母は自分の否を認め、「2人の関係を認めたわけではないけど、やりすぎた」と律に謝罪した。 萌と母の間の隔たりがなくなったわけではないが、萌は母親に対して、嫌なことは嫌と言えるようになった。それだけでも、萌にとっては大きな一歩だった。 ●文化祭 文化祭では、クラス別で合唱発表会が行われる。投票により順位も決まるので、曲選びの段階から皆真剣だった。クラスメイトの1人が、「普通のことをやっても面白くない」と律に作詞作曲をしてほしいと持ち掛ける。クラスメイトは、律がLittoであることは知らないが作曲が得意だと知っていたのだ。普段とはテイストの違う合唱曲に苦心しながらも、律は曲を書き上げた。その曲には、自分を受けいれてくれたクラスメイトへの感謝の気持ちが込められていた。練習を重ね、合唱発表会で見事優勝する。 「ちょっと前まで学校来てなかったなんて、信じらんない。萌のおかげだ」と笑う律。「今の状況は、律が自分で歩いて作り出したものだよ。私は背中を押しただけ。すごいのは、律だよ」と萌は律を抱きしめ、2人は何度もキスを重ねた。 ● メジャーデビュー 楽曲を次々配信する律のもとには、メジャーデビューやタイアップ、楽曲提供の依頼が舞い込む。律は音楽で食べていけるようになりたいとの思いがあったが、萌はあくまで学業と両立してできる範囲で活動したかった。お互いに相手の思いは理解していたので、律と萌は2人のユニットを組んで活動し、律は同時に他のアーティストへの楽曲提供を行い活動の幅を広げることにした。 一番の難関は、萌の母親の説得だった。当然母親は、メジャーデビューには反対だった。律は様々な条件を提示する。テレビなどの媒体には出演せず顔出しはしないこと、萌の勉強は絶対に邪魔しないこと、手続きや交渉はすべて律と律の保護者が行い、金銭が絡むことは萌の母に相談することなどだ。萌の母親は「そこまでしなくても、あなた一人でデビューすればいい」と言う。律は母親に改めて、萌が自分の命を救ってくれたこと、萌の歌が好きで、萌の歌いたいという気持ちを後押ししたいことを伝える。母親は渋々ながら、多くの条件を付けようやく承認してくれた。 ● 2人の関係 無事にメジャーデビューを果たした2人。CMやドラマのタイアップが続き、曲を出すたびにチャートインした。萌は変わらず勉強を続け、律は学校以外の時間を作曲や編曲に充てた。 活動の様子を見て、萌の母親も徐々に律を受け入れるようになり、律に対して気遣いを見せるようにすらなった。実は、萌の姉と律の兄も付き合っていた。律に日本中の美しい景色を見せたいと4人で遠出をして、思い出を重ねていった。 視野は月日を重ねるごとに狭くなっていき、「時々気持ちが折れそうになる」と本音を漏らした律。萌は律にキスをして、「さみしくなったら、律は手を伸ばすだけでいい。私はいつも、律の隣にいるから」と、永遠に共にあることを誓った。 *⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎検索ワード┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎* 純愛 中学生 青春 同級生 女主人公 青春群像劇 学園 初恋 執着 両思い 甘々 女性向け イケメン ハッピーエンド