あらすじ
とある夏休みの午後。放送部の部室にて。 クーラーをガンガンにきかせた室内で、フカフカのソファに寝そべって、最近お気に入りのVtuberのASMR音声をバックミュージックにソシャゲの周回に勤しむ俺。 家でゴロゴロしていると親がなにかと口うるさい。 だから、この部室は俺にとってのサンクチュアリ。誰にも邪魔されず、自堕落な時間をゆったりと楽しむ。 今日は夜から台風で天気が大荒れらしいが、限界までここでダラダラするぜ。 「せんぱーい、こーんにーちわー!」 くそ、やはり今日も来たか。 ヘッドホンを通り越し、耳奥をつんざくかしましい声。 それは俺の平穏が終わりを告げる合図。 勢いよく部室のドアが開き、放送部の部員第2号――ただ一人の俺の後輩が現れる。 ちんちくりんで、いつも笑顔。制服を着ていなきゃ、下手すりゃ小学生に見間違えるかもしれない童顔フェイス。 だけどよく見ると、でるところは結構出ているし、時たま妙に色っぽい雰囲気になるときがある、そんなアンバランスで妙なヤツ。 彼女が入部してからというものの、俺は振り回されっぱなし。まさに台風のようなヤツだ。 「うぇひひっ」 なんだその笑い声。どうせまたろくでもないことを企んでいるんだろうな。 ああ、さようなら。愛すべき俺の孤独で豊かな時間。 果たして今日は、どんな面倒ごとに巻き込まれるんだろう。