あらすじ
不動院高校二年の貫井奏《ぬくいそう》は、シスコンなのかもしれない。それも無理はない。妹のひよりは歌が抜群に上手くて、生まれ持った愛嬌から誰からも愛される。そんな妹を溺愛しない兄などこの世に存在しないだろう。 歌が抜群に上手いひよりは、音楽を愛し音楽に愛されていた。一年生ながら文化祭ライブで演奏するバンドのボーカルを務めることになったのも当然のことだった。 奏はひよりが輝いていればそれで満足だった。人前で輝くひよりを見ているのが幸せだった。それなのに──。 ひよりは文化祭ライブのステージで、全校生徒の目の前で、奏の目の前で、声を失った。その日から、ひよりは変わってしまった。 ひよりは何故声を失ってしまったのか。歌えなくなってしまったのか。 奏はその原因究明と最愛の妹の声を取り戻すために動き出す。