あらすじ
豊延警察署で働く的場は通報を受け、同じ市内にある豊延市立天縣高等学校という公立学校へ捜査に向かった。ここは的場の母校であり、前職の教師時代を過ごした場所でもあり、そしてなにより人生の黒歴史のすべてが詰まった場所でもあった。だから的場は、早く捜査を終了してこんなところからおさらばしたいと考えていた。 そんな中、校長から当初の通報内容とは別件の相談を受けることになる。それは、的場の教師時代を暗黒に塗りつぶした怪文書と全く同じ文面のものが、ある日学校のポストに投函されていたというものだった。差出人は、この学校に古くから伝わる怪異、『黄昏の祈禱師』だった。 五年前、この怪文書を無視したためにこの学校では、二件の殺人事件と一件の転落事故が起こっていた。再びこの学校で、そんな悲劇が起ころうというのだろうか。 そのような経緯から的場は上司からの命令で、高校生のフリをして母校に潜入捜査することとなった。 三十二歳の的場にとって、あまりに無理のある設定。 学校には的場の教師時代の同僚がおり、その上妹が教育実習生として学校にやってきて……。 制服姿での同僚との再会、妹が教壇に立って兄が席に座っているという歪な授業風景。更には、的場の正体を知る女子高生にまで振り回される始末。 そんなてんやわんやな学校生活を送る中、遂に死人が出てしまう。 そうして捜査に乗り出した的場だが、実は的場にも隠し通したい過去の秘密があって――。 果たして、黄昏の祈禱師の正体とは誰なのか。その目的とは。 過去と現在が繋がる学園ミステリー、ここに開幕。