あらすじ
俺の名前は宇佐美礼司、裏垢発掘が趣味の陰キャである。 裏垢女子の発掘――それは普段遣いのアカウントとは違うアカウントで、胸だの尻だの、そんな場所を恥ずかしげもなく万人に晒して貧しい自己顕示欲を満たしている女子をTwitterから発見することである。表向きは満たされた生活を送っているように見える女子たちが、あられもない姿を自ら晒して「自分はこんなに凄いんです」とお気持ちを表明する行為――そんな浅ましい欲望をあられもない姿とともに晒している女子を見て満足する、それが裏垢発掘の醍醐味なのだ。 だが――その裏垢女子の一人が、クラスメイトの女の子であったら? しかもそれが、クラスのスクールカーストの頂点に座る、派手好きで美人でギャルの権化のような人で、元々から自己肯定欲の塊のような人だったら? ある日、俺はクラスのカーストトップにいる美人ギャル・桃崎百愛の裏垢を発見してしまい、そこに掲載されている内容に激しく動揺する。どうしようかと迷った挙げ句、俺はあろうことか本人にこの裏垢を運営している真意を問いただしてしまう。 だが桃崎さんは悪びれるとか慌てることすらせず、それどころか「そんなに憤るなら一緒に裏垢やろうよ」と誘ってくる。反論も虚しく、俺はあれよあれよと桃崎百愛さんの裏垢運営に加担させられることになってしまう。 だが――その週末、俺は何故か長靴とタモ網姿で、田んぼの中を流れる川の中にいた。 「うおーヤバい! すげぇデッカイザリガニ入った! ウサミン、見て見て!!」 そう、カーストトップの桃崎百愛が運営する裏垢。 その裏垢は、まさかのガサガサ垢なのでした――。