あらすじ
作家、黒原史緒は、純粋失読という病名を医師に告げられる。文を書くことはできても、書いたものを読んで理解することができなくなるその病気は、作家としては致命的だった。 同性の恋人であり同じ作家としても彼女を支えていた蒔田紫乃は、ふと史緒に聞く。「これも知っていたことですか?」と。史緒は未来に続く一連の出来事を映像として見ることができる、未来視の力があった。 見たものが悪い未来なら、そうならないように起きることをわずかに変えてやることで避けていた。紫乃には、この病気を史緒がわざわざ選んだ未来のように思えていた。 屈折したふたりが選ぶ選択の先には……