あらすじ
「レイクル様、ご冗談ですよね?…婚約者である私を追放して、妹であるソフィア様と結ばれることを望んでいるだなんて…」
「…」
彼は額を下に向け、私の言葉に答えない。否定するわけでも、肯定するわけでもなく、ただただ黙って私から顔をそらしている。…その無言の雰囲気は、婚約関係にある私たちにとってはそれはそれはあまりにも残酷なものであった。
「…私は決して異常者などはない…かわいいかわいいソフィアに愛情を注ぐのは当然の事だ…一体…一体それのどこが異常だというんだ…武官も、臣下の者たちも…皆一様に私を異常者扱いして…まさか…まさか君までも…!!!」
私は何も言葉を発していないのに、まるで誰かに追い詰められるかのようにおびえた様子で言葉を発する彼。そこにはもはや、普段のプライドの高い高貴な彼の姿はなかった。