あらすじ
佐藤平は、頼まれると断れない性格。 小さい頃から色々頼まれた。 目立つことのないモブ少年である彼の優しさは、誰もにも気づかれることなんてなかった。 たくさんの人の手助けをしたが、表彰されたことも、当人以外から褒められたことも滅多になかった。 そして、彼にはもう一つ絶望的な特徴があった。 何もかもが平凡なのだ。成績も足の速さも、好きなことも何もかもだ。 そんな彼だから今まで彼女どころか友達すら数えるくらいしかできなかった。 新入生のクラス替えでまたもやボッチになった彼は深くため息をつく。 僕に声をかける女の子なんているはずがない。 恋バナをしている陽キャラを横目にいつものように席に座る。 羨ましいと自分がそう思うだけで、女の子からキモがられるだろう。彼女なんて出来るわけがない、そう思っていた。 「おはよー、今日からよろしくねぇ」 一瞬、隣に座る冬月さんが何を言ったのか分からなかった。僕が冬月さんを見るとニッコリと笑って手を振った。 目立つことなど一度もなかった僕の生活はこの日を境に大きく変わることになる。 『冬月さんは空気を読まない』 この状態の僕みたいなボッチなモブキャラに声をかけるなんてありえなくないか。 僕は揶揄われてるんだろうか。 冬月さんは、その日から僕を迷わせる。