あらすじ
「私が婚約、ですか?」
「ああ、クラシック伯爵が是非気ににと言ってきてくださっている。この上ないお話だとは思うが」
普通に考えれば、貴族家である伯爵様からのお誘い。断る人間などいるはずもない。しかしマイアは冷静に状況を呼んだ。自分たちのような、力を何も持たないような立場の人間に伯爵様とあろうものが近寄ってくるはずはない、必ず何か裏があるのだろうと。
そう考えた彼女は、この婚約をスライドさせることを決意した。ほかでもない、自分の妹のエレンリアに対して。
「お父様、このような幸せ溢れる婚約は、私よりもエレンリアに向けましょう。彼女はこれまで自分の体と戦い続けて、ようやくここまで来たのです。その愛に報いて、伯爵さまが行為を向けてくださったということにしても、怒られるようなことはないと思います」
その巧みな論理の前に、エレンリアに夢中になっているからこそ両親もまた承諾した。