あらすじ
かけつぎ職人の澪子には、結婚十年になる夫の真志がいる。 といっても、刑事である真志と夫婦のように過ごした記憶はほとんどない。 募る孤独に耐えかねて二年前に離婚を切り出したが、 埋め合わせの約束さえも果たされない惨憺たる状況が続いていた。 そんなある日、かけつぎの師匠でもある叔母の店に懐かしい顔が現れたと聞く。 仙羽泰生は、小学校卒業まで澪と一緒に過ごした幼なじみだった。 ――この前お風呂で女の人が死んだでしょ? そこの給湯設備、センバのなんだって。 叔母が口にしたのは、数日前に起きたばかりの一件だった。 澪子とはまるで関係のない、他人の不幸のはずだったが……。 ------------------------------- 約13万1千字の作品です。