あらすじ
この世とあの世の狭間にある世界、人ならざる者達が住む幽世。
幽世には五人の王が居る。その一人、獣のあやかしを統べる王、狼主と呼ばれる楼月の元へ小さな子供が迷い込んだ。
手には傷ついた獣のあやかしを抱え込む名も無き少女に、楼月はあやかしのケガを治し少女に礼をするため、願いは無いかと尋ねる。
少女の願いは、幽世へケガをした子の様子を見に来ても良いか?というもので、楼月は「千回だけだ」と言い、少女に千世と名付ける。
名を持たぬ少女の寂しさ故なのか、毎日のように訪れる千世。
この世の現世での千世は、親の居ない孤児で名も無い者、名奈木(ななき)と名付けられ地主の元で虐げられていた。
千世が幽世へ来るようになり三年の月日が経った頃、幽世へ来る回数が減り、千世も中々幽世に来れなくなってしまう。
そんな折、妖となってしまった千世の母、雪子が夫に宛てた手紙が時を経て届く。
千世を取り巻く世界が変わっていく。
楼月達、幽世の妖達は千世を人の元へと送るが――。