あらすじ
婚約者が大好きだった。 彼しか見えなかった。 ……だから、あの人の間に割り込んで来る人は、誰であろうと排除した。 でも、彼は私の事を好きではなかった。 私がした事は…… 私に帰って来た。 それも一度に、容赦も寛容も無く。 あの人の為だけに生きた私は、あの人に顧みられることも無く…… 濁った瞳が晴れ上がった空を映し出していた…… 私は私を追い詰め、落ちる所まで落ちた。 深い穴のような最低の場所から見上げる空は……蒼く、高く、澄み渡っていた。
なんて、馬鹿らしい。
自身の矮小さを思う存分見せつけられ…… あの人への執着が霧散した。
視界が黒く閉ざされ、耳に届く罵声が遠くになり、全てが終わりを告げた時…… 轟音と浮遊感が私を捕まえた。 これで、おしまい。 なにもかもが、無駄に終わったと、そう思った時…… 突然、視界が戻った。
懐かしくも、哀しみに満ちた場所への帰還。 そう、始まりの場所に……
もう一度、やり直せと言う事なの? 苦しみは永遠に続くの? 小さな手が虚空を掴む。 時間が巻き戻されたような感覚が襲う。 でも、あの蒼い空を見上げるまでの記憶は残っている。 そう、残っているのよ。 混乱した私は決心したの。
二度と恋なんてしないって