あらすじ

警察官になって六年目である木場隆史は、童顔にして低身長、おまけに軽佻浮薄な性格という刑事らしからぬ特性を兼ね揃えていた。 そんな木場は、今年度から晴れて捜査一課に配属され、有名実業家の死亡事件を担当することになった。被害者の名は雨宮宗一郎。彼は僻地にある崖の上に屋敷を構え、多数の使用人を召し抱えながら家族と共同生活を送っていたのだが、その崖から海に転落したのだ。雨宮は五年前から車椅子生活を送っており、一人での外出は困難。これは単なる事故か、それとも殺人か? 初っ端から重大事件を担当することになり舞い上がる木場。そんな彼のお目付役として任命されたのが、勤続三十年のベテラン刑事、ガマ警部こと蒲田次郎である。署内でも鬼刑事として有名な彼は、現場で浮き足立つ木場に容赦なく叱責の言葉を浴びせかけるが、木場は警部の恫喝を物ともせずにマイペースに捜査に臨む。このいびつなコンビの捜査を中心として物語は展開していく。 捜査陣に負けず劣らず、関係者の面々も実に個性豊かだ。若作りに勤しむ妻に粗暴な家庭教師、ぬいぐるみと会話をする次女。そんな珍妙な家族の中で唯一真人間と思えたのが、雨宮の長女である霧香だった。家長を亡くしても他の家族が平然としている中、霧香だけは父親の死を心から悼んでいるように見えた。哀しみに暮れる霧香の姿に木場は心を打たれ、彼女のためにも事件を解決しようと奮起する。しかしガマ警部は霧香にも疑いの目を向け、彼女の無実を信じる木場とは真っ向から対立する。 聞き込みを続けるうちに明らかになる『家族』の異様な姿。それぞれの家族の背景が明らかになる中で捜査は混迷を極めていく。そして今もなお屋敷に影を落とす六年前の悲劇。様々な人間の思惑や葛藤が渦巻く中、木場は真実を明らかにすることができるのか。 コメディ、推理、そして人間ドラマの要素を併せ持つライトな警察ミステリーシリーズ、第一弾の改訂版。 ※2日に1回、19時に更新します。 ※2020年に執筆した、ミステリー初挑戦作品の加筆修正版です。旧版と比べて登場人物が微増、ストーリーが長くなっています。忙しい方のために旧版も残してありますが、お時間のある方はぜひこの改訂版をご覧ください。 旧版はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054908974705 本作の紹介記事(近況ノート)はこちら→ https://kakuyomu.jp/users/MizukiOhara/news/16817330655507473403 シリーズ2作目はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054921382901

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2023/04/07
  • 現在の作品【改訂版】岸壁の令嬢