あらすじ

俺と四方子(よもこ)さんは商店街にあるゲーセンの常連同士で、毎週日曜日の午後は一緒にメダルゲームで遊んでいる、親友とも呼べる間柄だ。 だが、何故かいつも四方子さんはサングラスとマスクをしており、素顔を見たことは一度もなかった。 ただ、四方子さんは明日から俺が入学する高校の一個上の先輩だということは聞いていたので、俺は密かに高校生活を楽しみにしていた。 ――そして迎えた入学初日。 放課後に校舎を出たところで黒山の人だかりが出来ていたので何事かと窺うと、一人の女性をドーナツ状に大勢の男女が取り囲んでいた。 みんな思い思いに「綺麗~」だとか「女神だ……」とか呟きながら、恍惚とした表情を浮かべている。 まるでちょっとした宗教画みたいな光景だ。 だが、中心にいる女性の顔を見て、腑に落ちた。 ――その顔が、まさに宗教画の女神様並みに美しかったからだ。 サラサラの長い黒髪に、吸い込まれそうなほど輝く大きな瞳。 神が生み出したとしか思えない芸術品が、そこには存在していた。 そりゃみんなあんな風になるわな……。 「あっ! オォイ晴臣(はるおみ)! やっと見付けた、探したぜ!」 「「「――!?」」」 その時だった。 女神様が俺と目が合うなり、そう叫んだのだ。 こ、この声は――!? 「アッハッハ、なかなかブレザーも似合うじゃねーか、晴臣!」 「……四方子さん」 それは他でもない、四方子さんその人だったのである。

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小説を読もう2023/07/07
  • 現在の作品いつもゲーセンで一緒に遊んでいるガサツなおねえさんが、俺が入学した高校ではアイドル的な存在だった