あらすじ
歴代最強と謳われた剣聖の祖父を持つ世間知らずな青年、"キュリオ・アイゼンベルガー"は、唯一の肉親である祖父が天寿を全うし、この世を去った。
祖父が残した【天下七剣】と言う聖剣の一振、【宝竜剣】と更に祖父と共に過ごした故郷の土地や財産に至る全てを欲深い国王の手によって無理やりに奪われた。
半信半疑だがキュリオは知っている。
【宝竜剣】に認められた持ち主に多大な加護を授けるが、認められねばその者には数々の災いが降り掛かる事を。
国王を止めようとするも虚しくキュリオは、【宝竜剣】の"運び賃"として金貨二枚を投げ付けられ王都を追放されて仕舞った。
『何で俺がこんな酷い仕打ちを――』
王都を去る際に奴隷商人から酷い仕打ちを受けている獣人の娘に遭遇したキュリオ。今の自分と重なり、居ても立っても居られず金貨一枚で娘を買った。
『何処に行こうか?』
『キュリオ様となら何処へでも……』
その時は誰も想像していなかった。
近い将来、キュリオに泣き付かなければならない程の窮地に国が国王が立たされる事を――キュリオが祖父を越える力を持つ【超越者】だったと言う事を――。
そしてキュリオも後に知るのである。
奴隷で在った獣人娘が冒険者として、かなりの等級《地位》で在ると言う事を――。
彼女と共に波乱の運命に導かれ、翻弄される未来が待って居る事を……。
こうして青年と元・奴隷だった獣人の娘は、お金は無いけどささやかな幸せを感じながらひた向きに共に生きて行く事を誓った。