あらすじ

――これは、理(ことわり)と運命に抗うことを決意した、とある少女の物語――。 自由国家・東京国の隣国には、徒然の女神『レーヌ・ナチュール』を冠する魔法国家ルビナスが存在した。 18歳となった霞ヶ丘(かすみがおか)緋陽理(ひより)は、この国の護衛部隊である魔法理隊(まほうりたい)に見習い封魔導士(ふうまどうし)として属していた。彼女は天気、大気、大地、生命で成り立つ四元素魔法のうち、天気の証印を得た才色と伝統に重きを随する霞ヶ丘家の跡取り娘。東京国との間には友好条約が結ばれ、平和な日々を送っていたものの、理に縛られる毎日に愛想を尽くしていた。 そんな折、長く行方不明となっていた幼馴染で親しい仲だったタクトが、ルビナスと冷戦状態である軍事国家ディアロバルグにて、外交官として働いているという噂を耳にする。近年のディアロバルグは特に治安が乱れていて、緋陽理がタクトとの面会を希望するためには、まず国への渡航権を取得する必要があった。 条件その壱。封魔導士のパートナーを見つけること。 条件その弐。魔法理隊の副隊長昇格試験に合格すること。 これらの条件を満たすため、東京国で知り合った轟(とどろき)雨竜(うりゅう)を封魔導士パートナーとして迎え、無事に魔法理隊の副隊長へ昇格する試験に合格した緋陽理は、すぐさまディアロバルグへと渡航する。 しかし、久々に再会した幼馴染は見る影もなく性格が変貌していて、弱者を人間とも厭わない冷酷な人間へと成り果てていた。緋陽理はその親友の姿を見て、涙も出ないほど絶句するのであった。 そしてついに、冷戦状態だったディアロバルグ国が、ルビナス国へ宣戦布告。 緋陽理と雨竜は、理に縛られた運命の戦いの渦の中へ、否応にも巻き込まれていくのであった――。 「私が許せないのは、この世界の誰も彼もが底辺を這いずり回るしかできないときに、それを強者が変えようとしないことだ。弱き者の犠牲の上に成り立つ世界が、狂おしいほど、大嫌いなだけ。私自身が腹を下すような泥水をすすろうとも、口が血まみれになるような砂混じりのパンをかじったって構わない。だからこそ、私は目の前で苦しむ人を、ただ助けたいだけなのに……、それすらもできないことが、一番、悔しいんだ」 弱き者を救うって、一体なに? 愛する人を救うために、私は何ができる? 世界を変えるために、やるべきことって? 少女は理(ことわり)を覆すために、今、世界へ一歩ずつ足を踏み出していく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2023/07/01
  • 現在の作品レーヌ・ナチュール~徒然の女神~