あらすじ
リゼット・バルテは生まれつき魔力量が多かった。 強き魔術師になるだろうと周囲に期待され、来るべき戦いに備えてヴィクトル・マニフィカ公爵の婚約者となった。 しかし、リゼットは魔力量が多いだけで魔法はからっきし。出来損ないの役立たずな魔術師だった。 そんなリゼットにヴィクトルは婚約破棄を言い渡す。承諾したリゼットは一つだけ願いを言う。 「私を殺して下さい」 帰る家のないリゼットにはその選択しか道はなかった。ヴィクトルはリゼットの叶える振りをして、ある人物に依頼をする。 そして、リゼットは人形に。それもヴィクトルが英雄と讃えられる伝承を語る人形になっていた。 ※ネタバレ注意 【キャラクター設定】 ・リゼット・バルデ バルデ伯爵家の長女。十五歳。 五歳の時に、魔力量が多いという理由で、マニフィカ公爵家に引き取られる形でやって来る。その後、マニフィカ公爵家の嫡男である、ヴィクトルと婚約。 強力な魔術師となることを期待されていたが、叶わずに婚約破棄を言い渡される。 ヴィクトルに「殺してほしい」と頼んだその日の夜、誘拐され、人形にされてしまう。 百年後。目覚めると見世物小屋にいたところを、ヴィクトルの子孫である、ユベール・マニフィカに拾われる。 ・ヴィクトル・マニフィカ マニフィカ公爵。二十歳。 リゼットを愛しているがために、婚約破棄を言い渡す。 自分の婚約者である以上、周りから謂れのない悪口を言われている姿に耐えきれず。 けれど、リゼットはヴィクトルの想いには気づけずに、「殺してほしい」と頼む。 そのため、ヴィクトルはリゼットの師であるサビーナ・エルランジュの手を借りて人形に……。 子孫に、リゼットを託すことにする。 ・サビーナ・エルランジュ 魔術師。年齢不詳。 ヴィクトルの願いを聞き入れて、リゼットを人形に変える。 ・ユベール・マニフィカ ヴィクトルの孫。十五歳。 マニフィカ公爵家はすでになくなっているため、平民。 祖父であるヴィクトルの遺言に従って、リゼットを探していた。 没落した原因が、その人形だと思っている。 そのため、リゼット人形を大事に扱う。 ヴィクトルにそっくりな容姿をしている。 【長編化した際のプロット】 ・第一章 リゼットはヴィクトルから婚約破棄を言い渡され、サビーナに人形にされる。 内容は短編のまま。出会った頃などのエピソードを入れる。 ・第二章 百年後。見世物小屋にいたリゼットは、ユベールに拾われる。 人形のまま、しばらくユベールと穏やかに暮らしていると、サビーナが突然現れる。 そこで、ユベールがヴィクトルの孫であること。 マニフィカ公爵家が没落したことを聞かされる。 さらに、ヴィクトルが竜を殲滅し、今は脅かされることはないことまでも。 リゼットは、自分がいなくても成し得た功績に安堵する。 けれど、その戦争によって、リゼット人形がマニフィカ公爵家から外部に出てしまう。 リゼットの代わりに結婚したヴィクトルの妻は、跡取りを産んだのち、見向きもされなかった。 その間ヴィクトルは、リゼット人形を傍に置き続けたという。 故に、ヴィクトルの不在に捨てられたのだそうだ。 サビーナは、ヴィクトルがリゼットを愛していたために、婚約破棄をしたことを告げた。 人形して、亡くなったことにすれば、再び人間に戻った時、誰もリゼットを非難する者はいないと思ったからだと。 ヴィクトルは遺言にリゼット人形を探すように言っていた。 没落した原因は、リゼット人形を探すために、あらゆる手を使った為。 ・第三章 ユベールが自分を探した理由を知ったが、大事にされているのは何故か。 ヴィクトルの遺言が原因なら、人間に戻れる方法を模索しなければ、と考え始める。 理由は、ユベールを自由にしてあげたかったから。 ヴィクトルの遺言に縛られずに生きてほしいと望んだのだ。 サビーナは、ユベールと過ごしていれば戻れる、と言ったためだ。 献身に尽くすユベールに、少しずつ心を開いていくリゼット。 けれど没落した原因が自分であることに罪悪感を抱いているため、ユベールとの距離は縮まらない。 むしろ、心を開けば開くほど、距離を取ろうとする始末。 それを不審に思ったユベールが理由を聞き、誤解を解く。 始めはヴィクトルの遺言に従っていたが、今は自分の意思でリゼットの世話をしているのだと。 お互いの想いが通じ合った時に、リゼットは人間の姿に戻る。 ・エピローグ 人間に戻ったリゼットとユベールが幸せそうに暮らすエピソード。