あらすじ
春夏秋冬、君を想う。 これは孤独な神と、それに触れた者の物語————。 春の章。 桜の木の下で、誰かを待ち続ける美しい青年。桜の模様が描かれた羽織を纏うぼんやりとした美しい青年は、首に包帯を巻いており、言葉を紡ぐことができない。そんな声を失った青年の前に現れたのは、春を告げる神だった。 青年が誰を待ち、なぜ声を失ったのか。 桜の蕾が花開く時、青年の瞳に映るモノとは――――。 夏の章。 村の悪しき風習により、龍神の贄に捧げられた少年。 恵みの雨を降らせるため、村の皆のため、少年は谷の底へと落ちていく。 次に目を覚ました時、少年は見たこともないような美しい青年に抱かれていた。 彼こそが谷に棲む龍神であり、この地に水を齎す存在であった。 しかし龍神が存在していながら、なぜ村に雨が降らないのか。 その理を知る時、少年は本当の意味で龍神の想いを知ることになる――――。