あらすじ
「御主人様の世界の記憶を持つ私を下界に遣わして文明開化をしませんか!?」 使命を果たした褒美に元の世界の輪廻に戻る事を望んだ勇者に、女神は自らの世界に魅力がなかったせいだと文明水準と文化振興の向上の必要性を切に感じる。そんな女神に魔法の発動体である演算宝珠のアイリはそう提案した。 主人である勇者への思慕により魂を宿した演算宝珠の扱いに悩んだ女神にアイリの提案は刺さり、アイリは人間の王女へと転生する。しかし後宮争いに巻き込まれた結果、三歳にも満たないうちに王都から遠く離れた精霊の森へと連れ去られてしまう。 幸いなことに神聖演算宝珠だったアイリは魔法の扱いに長けており、森に住む魔獣を退けることに成功する。その後、精霊の森で女神から神託を受けたドライアドにより育てられる事になった。 十代半ばまで精霊の森の最奥で精霊や神獣と共に健やかに成長したアイリは、精霊の森に立ち入った冒険者を救出したことをきっかけとして街に出る。女神から受けた使命であると同時に思慕を向けていた主人が夢見たスローライフを可能とする文化水準をこの世界で実現するため、自重のない魔道具開発や美食を広めて耳目を集める。 その過程で祖父母や母親との再会を果たすが、アイリが王女であることが露見すると貴族や周辺国家の思惑により離宮へと追いやられて最後には魔石の粉により体を魔結晶へと変えられてしまう。 咄嗟の機転で自らを演算宝珠へと変える術を施して意識生命体へと回帰したアイリは、それでも諦めることなく人の寿命では果たしえない長い時をかけて文明を進歩させ続けた。 遠い未来の果てに望む文化水準を実現したアイリは女神の導きによりかつての主人である勇者と再会し、勇者は自分の為に奮闘したアイリを人の姿に戻すことを女神に願う。 そしてここに、千年の時を越えた恋の物語が成就する。 これは、そんな夢物語に向けて奮闘する元・神聖演算宝珠の少女の物語です。