Synopsis
「藁人形の代わりに、物語を。」
《MURDER CURSE》は、殺したいほど憎い相手を小説の中で殺してくれる、オーダーメイド復讐小説制作サービス。
作家志望の桜井健一郎は、書店で働きながらCHERRY-Kの名で登録作家をしていた。依頼者から恨みや怒りを聞き出し、それを二万字から三万字の物語にする。一件の報酬は四万二千円。「読んだら、もうどうでもよくなりました」と言う依頼者もいる。現実で復讐するより、物語の中で殺して終われるなら、その方がいい。桜井はそう考えていた。
そんなある日、山岸和也という男から、職場の上司・黒川隆司を殺す物語を依頼される。
桜井はいつものように話を聞き、いつものように小説を書き、いつものように納品した。
二か月後、黒川隆司が死んだ。桜井が書いた物語と、そっくりな形で。そして殺人現場には、一冊の本が残されていた。
著 CHERRY-K。
殺すのは、物語の中だけ。そのはずだった。
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