Synopsis
『役に立たなくても、それでもこれは文化だ』
ジンセント=ヴァルフレッドはロゴス国の国家機関の学者。
だが、『お前の研究は役に立たない』という理由で、『得るもの何もなし』といわれる種火陸へと『無期限フィールドワーク』という名目で追い出される。
もう今後出世は望めない終わりの左遷、学者たちはそれを『流刑』と呼んだ。
研究費ゼロ。
もう自分で稼ぐしかない。
ジンセントは冒険者ギルドで渾身の土下座をかます。
「ははっ。そうだよ!金もねえ、戦闘能力もねえ!国では学者として首切られかけてる!ここで働かせてください!戦い方を教えてください!」
ロゴス人を嫌う種火陸人に遠巻きにされるジンセント。
だが、彼に手を差し伸べたものがいた。
「こいつはあとがない状況で教えを願った。『最後の輪』の掟にのっとって、俺が面倒見る」
種火陸の腕利き冒険者ロッカ。
荒っぽいが面倒見のいい彼とともに、ジンセントは種火陸を回ることになる。
魔物を追う。
市場で迷子になる。
十代後半の若者が参加する成人儀礼に28歳で参加する。
饗応で冒険譚を聞く。
時には話す。
「こら!どっかいくな、ジン!!」
危ない目にあいかけるたびに、ロッカが慌てて回収に来る。
なにかに触れるたび、ジンセントは指に熱をともしてそれを焼字で紙に記録する。
旅をつづけながら、ジンセントのノートは分厚くなっていく。
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