Synopsis

高校二年の瀬戸一花のかわりに、もう一人の一花が学校へ通い始めて、二か月になる。 頭の怪我の治療で体に入れたAIが、いつのまにか、一花と同じ体を作れるようになっていた。 頼んだ夜の次の朝、それは一花の背中から分かれて、制服を着て出ていく。 声も、しぐさも、一花そのもの。額の傷あとだけが、ない。 そのあいだ、一花の体は重く、眠く、立てない。 夜中の台所で、ふつうの三倍食べる。 寝る前に、端末で今日の「自分」の記録を読む。 〈十二時、昼食。真野さんと。〉 誰と話したかは分かる。相手がどんな顔をしていたかは、書いていない。 親友のさらは、もう一人の一花と、いちばんの友だちになっていた。 本物が教室に戻った朝、さらの笑顔は、途中で一瞬だけ冷えた。 「一花とは、いつでも行けるやん。あの子とは、一花が頼まな行けんやん」 あの子に会えるのは、一花が寝ている日だけ。 それを分かっていて「明日も頼んで」とねだる親友。 奪われた日常を取り戻すために、私は重い体を引きずって教室へ向かう。 自分の居場所は、どっちの私にあるのか。 『オプトアウター』と同じ世界の独立短編。本編未読でお楽しみいただけます。 (全一話・約9,600字)

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou10/15/2026
  • Current私が寝とる日、親友は、もう一人の私と笑っとる。