Synopsis
十七歳の誕生日、婚約者から贈られたのは、妹の瞳と同じ緑の髪飾りだった。昨年までは、私の瞳に合わせた紫の石を選んでくださったのに。
妹が泣けば、叱られるのはいつも私。月に一度のお茶会で、二人で過ごしたいと伝えただけで、心の狭い女になった。
それでも公爵令嬢ヴィオラは、幼い日に「僕が君を守る」と言ってくれた王太子を、嫌いになれずにいた。
「お前も、俺と一緒に来いよ」
幼馴染の魔術師ノアは、隣国へ誘ってくれる。私が昼食を残したことにまで気づいて、好きな杏のパンを差し出しながら。
その手を取る代わりに、私は彼に、ある頼み事をしてしまう。
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