Synopsis
教室の隅でイヤホンをつけている成瀬朔には、誰にも聴かせていない歌がある。
高校一年生、十五歳。実家は地方の小さなライブハウス『SIDE B』。
音楽好きの両親のもとで育った朔にとって、ピアノを弾き、曲を作り、自分で歌うのは、何より楽しい時間だった。
けれど、その音楽を家族以外の誰かへ届ける勇気はない。
親友が漏らした、将来への迷い。
そこから生まれた一曲が、久しぶりに店を訪ねた歌手・高瀬灯子の心を動かす。
ヒット曲の成功に縛られ、何を書きたいのか見失っていた彼女は、朔の歌を聴いて問いかけた。
その歌を、もっと誰かに聴いてほしいと思わないか、と。
これは、自分のために歌っていた少年が、聴いてくれる誰かを知り、音楽の世界へ踏み出していく物語。
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