Synopsis
三十二歳、独身、会社員。
趣味はゲームの攻略情報を集めること。特技は、誰も見向きもしないアイテムの使い道を考えること。
そんな俺、佐伯直人は、ある雨の日に奇妙な能力を手に入れた。
それは、一日に一度だけ、別の世界へ渡れるというものだった。
剣と魔法の世界。人間のほかに獣人やエルフが暮らし、街道には魔物が出没する。そんな世界の片隅に、俺は小さな拠点を見つける。
戦闘能力はない。魔法も使えない。向こうの世界で使えるお金もない。
しかし、こちらの世界には百円ショップがある。ホームセンターがある。スーパーマーケットがある。
そして、向こうの世界には、こちらでは安価な品物が驚くほどの値段で取引されていた。
「……これ、もしかして商売になるんじゃないか?」
目指すのは世界征服でも英雄の称号でもない。
毎日の食事に困らず、気の向くままに旅をして、気が向いたら店を開く。
そんな生活を実現するため、三十二歳の平凡な男は異世界で小さな商売を始めることにした。
これは、異世界を攻略するよりも先に、異世界で暮らす方法を攻略してしまった男の物語。
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