Synopsis
十三歳のある日、私は突然、見知らぬひとたちと暮らすことになった。
母に連れられ移り住んだその家に住んでいたのは、母の恋人だという壮年の男性と、その息子であるふたつ年上の少年だ。
その日から、私たちは家族となった。
くすんだ金色の髪をしたその少年を、はじめ私は、絶対に好きになれないと思った。兄妹として仲良くなんて、出来ないと思った。
その予感は正しく、十三歳の私は、義兄との折り合いも悪く、窮屈な日々を過ごす。
歪な家族は、ほどなくして崩れ始める。
母は去り、父も消えた。
血の繋がらない兄の獅郎と私に、見えない傷を残して。
♢♢♢
そして今、二十三になった私は、家を出て県内の都市部で中学校教諭の職に就いている。
義兄の獅郎は、かつて二人で暮らした山裾の古い家に、未だ一人で住んでいた。
仕事関係のトラブルで行き詰まった私は、獅郎の暮らす実家に逃げ帰り──……
♢♢♢
出会ってから十年の時が経つ。
そのあいだに、私たちはどんなふうに近付いて、どんなふうに寄り添って、どんなふうに離れたのか。
これは私たち兄妹の、
今と、過去と、これからの物語。
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