Synopsis

「役立たずの『枯れ聖女』など、この神殿にはいらん」 豊穣を司る大神殿で、王太子ラウルから婚約破棄と追放を言い渡されたセレスティア。花ひとつ咲かせられない彼女に代わり、一瞬で花を咲かせる少女ミレーユが「真の豊穣聖女」として讃えられる。 だが、誰も知らない。その花が三日で枯れ、実ひとつ結ばない徒花であることを。そして、この国の農業を十年間、陰で支えてきたのが誰だったのかを。 「あなた方が奪った私の畑の種、あれは私にしか芽吹かせられませんの。──それでは、良い収穫を」 前世は農学部を出て農業試験場に勤めた記憶を持つセレスティア。土のことなら、この世界の誰よりも詳しい。 追放された彼女が向かったのは、隣国リンドの『二十年不毛の呪われた土地』。そこで出会ったのは、冷酷無比と噂される『氷の将軍』ガーヴィス・リンドバルド。彼女は「この土地を三年で豊穣の地に変える」と取引を持ちかける。 派手な奇跡ではなく、地道な土壌診断、輪作、堆肥、そして本物の聖女の力で。 ただ静かに、良い土と育つ作物を見ていたい――そんな願いを胸に土をいじる日々が、やがて枯れた大地を蘇らせ、彼女を『豊穣の女神』と呼ばせることになる。 すべての種には、芽吹く力が眠っている。たとえ今は枯れて見えたとしても。 これは、捨てられた聖女による、救済と再生の物語。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou09/27/2026
  • Current「あなたに水をやる義理などございませんわ」~種まきの月に追放された枯れ聖女、隣国で豊穣の女神と呼ばれるまでの話~