Synopsis
元奴隷の少女 × 元王子の召使
僕は、なぜまだ、生かされているのだろう。
「だめ、その人を殺さないで――!」
「何を今さら……きみが与えた役目だろう?」
*
革命ですべてを失い、死を望んだ王子リセル。処刑を免れた彼に与えられたのは、自分の助命を願った少女アヤに仕えるという屈辱的な役割だった。
民の信仰の象徴として、神殿の奥深くで生きてきた『穢れなき王子』は、異民族の奴隷から祭り上げられた、偽りの巫女に跪く。
アヤは、意図せず貶めてしまった憧れの人を自由にするため、彼にふさわしい主人になろうと努力する。しかし、リセルは献身的に彼女を支えながら、その自立を阻む。
まるで美しく飾られた檻の中。
救済と献身の名のもとに、二人は互いを縛りつけていく。
赦しと責任、誇りと生の意味をめぐる、身分差逆転ラブストーリー。
*
「きみは、何ひとつ憂うことなく、ただそこにあればいい」
「私は、あなたのようには生きられない」
どうしても許されないというのなら、せめて。
――それでもあなたに愛されたいと願う、馬鹿な私の心を殺してほしい。
【文学フリマにて発表された同人アンソロジー寄稿作】
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