Synopsis
ダンジョンとモンスターが出現し、攻略者(シーカー)が世界中から熱狂的な支持を集める現代。 高坂(こうさか)もかつては攻略者を夢見た一人だったが、適性検査で叩き出された魔力値はまさかの「0」。発現したスキルは過去に一件の確認例もない謎の異能【地主】。訓練所では火の粉一つ出せず「史上最低のハズレ」の烙印を押され、早々に夢を諦めて悪徳不動産の営業マンへと成り下がっていた。
激務に心を壊しかけた高坂の唯一の癒しは、登録者数300人の過疎配信者「ヤスさん」の田舎暮らしキャンプ動画。 ついに限界を迎えた高坂は会社を辞め、自社が抱えていた「激安の訳あり山林」を退職金で買い取る。目当ては、ヤスさんが絶賛していた「洞窟での秘密基地DIY」を実践するためだ。
高坂は洞窟の奥深くで見つけた「やたらデカくて丸い石」を風防代わりにし、ヤスさん直伝のファイヤースターターで焚き火を起こした。 ――その瞬間、凄まじい熱ショックにより、ただの石に擬態して休眠していた『未発見のS級ダンジョンコア』が強制再起動してしまう。
世界を統括する探索者協会や巨大ギルドが「日本に新たなS級ダンジョンが出現した!」とパニックに陥る中、高坂は全く気づかず、ヤスさんの知識を活かして拠点作りを開始する。 実は高坂の【地主】は、「本人名義の土地」を持たない限り一切発動しないという条件付きの神級スキルだった。S級ダンジョンを丸ごと「自腹で購入」したことでスキルが完全覚醒。領地内においてのみ、あらゆる物理・魔力法則を書き換える絶対権限を手に入れていたのだ。さらに「魔力ゼロ」ゆえに、S級モンスターが放つ即死級の威圧オーラを「ちょっと風が強いな」程度にしか感じ取れないという奇跡的な鈍感さも発揮する。
「ヤスさんの言う通り、害虫(A級キメラ)は火で炙ると逃げるな」 「この洞窟、奥に行くと天然温泉(S級竜の巣)があるぞ。最高の物件だ!」
異常な魔力を探知し、血眼になって押し寄せる世界中のエリート攻略者たち。しかし彼らが目にしたのは、人類最高峰の魔境で、謎の過疎配信者の教えを守りながら呑気にベーコンを燻製にする、無自覚な超次元キャンパーの姿だった。
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