Synopsis
可能性が現実になる前の場所――観測界。
そこでは、無数に存在する未来が観測され、やがて一つの世界へと確定していく。
しかし、どれほど観測しても確定せず、揺れ続ける領域が現れた。
その原因を探るため、悠真、陸央、ミナの三人は、人間たちが暮らす可能性界へ降下する。
忘却の門をくぐり、悠真はユウに、陸央はリクになった。
二人はすべての記憶を失い、ただ一人、案内役のミナだけが過去を覚えている――はずだった。
だが、ユウとリクは同じ夢を見る。
青い光。
誰も座らない教室の空席。
そして、記録のどこにも存在しない「四人目」の気配。
やがてミナのノートに、自分の筆跡で一行の文字が現れる。
『約束は三人でした』
その言葉を読むたび、三人の胸に同じ違和感が生まれる。
本当に、三人だったのだろうか。
消された名前。
思い出してはいけない記憶。
世界が一つに決まるとき、選ばれなかった未来はどこへ行くのか。
これは、失われた記憶を取り戻す物語ではない。
すべてを忘れた者たちが、誰にも答えを教えられることなく、かつてと同じ問いへ辿り着いていく物語。
そして、世界が分かれるよりも前に交わされた、終わらない約束の物語。
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