Synopsis

澪は、ギターなんて弾けない。 ――はずだった。 けれど、ギターを握った瞬間、指が勝手に動いた。 知らないコードを知っている。 触ったこともないアンプの癖がわかる。 エフェクターを見れば、どこをどう弄ればいいのか理解できる。 そして演奏していると、ときどき思う。 「俺なら、そんな音にはしない」 私の中に、知らない誰かがいる。 その正体は、かつてギターを弾いていた姉なのか。 幼い頃に見た誰かの記憶なのか。 それとも、本当に「転生」と呼ぶべき何かなのか。 家の前に残された、持ち主のわからないギターと機材。 古い写真。 途切れた記録。 姉を知る人々。 そして、弾けば弾くほど鮮明になっていく、自分ではない誰かの感覚。 借り物の指で始まった少女の演奏は、やがて少しずつ変わっていく。 上手く弾くことではない。 誰かと同じ音を出すことでもない。 ――私の音って、なんだろう。 これは「前世の天才ギタリスト」が無双する物語ではない。 自分の中にいる“知らないギタリスト”とともに、 ひとりの少女が、自分自身の音を探していく物語。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/25/2026
  • Current転生少女は、自分の音を知らない ― 私の中に、知らないギタリストがいる ―