Synopsis
目の見えないわたくしに、孫は七年、日曜ごとに手紙をくれた。
一通目は「お庭の菫は、もう咲きましたか」。
読み上げた医者の弟子は、少し黙ってから言った。
「奥様。これは、女の子の字です」
わたくしは知っていて、七年、黙っていた。
その手紙が、昨日の日曜、はじめて来なかった。
翌朝、わたくしは公証人を呼んだ。
※『婚約者の代筆をやめたら、お祖母様が遺言を書き換えました』を、お祖母様の側から描いたお話です。単独でもお読みいただけます。
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