Synopsis
「一か月後に離縁する。後のことはロジーナに任せる」
公爵夫人アデルは頷いた。「かしこまりました。一か月で、薬草園のすべてを丁寧にお教えいたします」
種まきの時期、乾燥の温度、咳止めの配合。三十日間、毎朝欠かさず教え、全百四十八項目を帳面三十冊に残した。愛人ロジーナが顔を出したのは、そのうち七日。欠席の理由は、本人の字で「茶会のため」。
離縁の翌週、領内に冬の咳病がやってくる。
――ちゃんとお教えしましたわ。聞いていなかったのは、そちらです。
Serialization Info
Web Novel